ニーズだけでなく、ウォンツを満たす

ニーズだけではなく、ウォンツを満たす。
これは、どのような仕事であれ、経営に欠かせない視点だと思います。
整体師も、同じです。

私は、次のように考えています。

– ニーズ=要望
– ウォンツ=欲求

腰痛を何とかしたい。
肩こりの苦しみから逃れたい。
頭痛薬を手放したい。

これらは、ニーズです。
ニーズを満たす整体院は、掃いて捨てるほどあります。
満たせて、当たり前なのです。

ところが、みなさんニーズを満たすことばかり、追っかけている。
だから、9割以上の整体院が、三年後には廃業するのです。

ニーズに対しウォンツとは、誰もが心の奥底に抱く欲求です。
これを満たすことが、「行きたくなる整体院」となる秘訣のひとつだと私は考えます。
これが理解できないと、これから生き残りは難しいでしょう。

では、ウォンツとはいったいどのようなものか。
とても参考になる書籍がありますので、ご紹介いたしましょう。

「自分を超える法」 How to master your life
– ピーター・セージ(著)、駒場美紀+相場一進(訳)
– ダイヤモンド社(刊)

この本に「人間の6つの欲求」があげられています。
すべての欲求は、突き詰めれば、次のどれかにあてはまるというのです。

– 【1】安定感・・・安定したい
– 【2】不安定感・・・変化がほしい
– 【3】重要感・・・価値ある存在でありたい、特別でありたい
– 【4】愛とつながり・・・愛されたい、誰かとつながりたい
– 【5】成長・・・成長したい
– 【6】貢献・・・何かに貢献したい

※同著ではこれを「シックス・ヒューマン・ニーズ」と呼んでおり、私が本投稿で使用しているニーズを別の意で使用していることをお断りしておきます。

いかがでしょうか。
自分のことを振り返ってみて、あてはめて考えてみてください。
思い当たることがあるのではないでしょうか。

納得がいったら、普段のコミュニケーションなどで使ってみましょう。
たとえばモテる人は、会話や接し方の中で、巧みにこれらをくすぐっているはずです。
経営の上手な人も、同様です。
自然に出来ているか、意図してやっているのかは、それぞれですが・・・

なお、経営を向上させるのは、小さなことの積み重ねが大切です。
多くの人は必殺技を求めますが、そんなものはありません。
もしあったとしても、効果は一時のものであり、永続はしません。

経営とは、結局は人と人とのお付き合いです。
人を喜ばせる力こそ、実力です。
ニーズとウォンツを分けて考え、いかに経営に取り入れていくか。
それが、とても重要だと考えます。

執筆者プロフィール

西田 聡
西田 聡心身楽々堂 代表
1960年、大阪生まれ。2008年、47歳の時に、突如、24年間勤務した会社を辞し、整体師に転身することを決意。多額の住宅ローンを抱え、当時高一と中二、二人の息子がいる身で脱サラし、未経験の仕事で起業するなど狂気の沙汰と、周囲の誰もが猛反対する。しかし、耳を貸さず、整体院の独立開業を断行。案の定、失敗、挫折、絶望の連続で、辛酸をなめ尽くすが、ぎりぎりのところで踏み止まる。修得した整体手技療法を基盤に、合氣道修行で得た心身修養の精髄を加味した「心整体法」を着想。病院で治らない慢性疾患や自律神経失調症専門の整体院という独自路線を歩み、自力で整体院経営を軌道にのせる。組織に依存せず、束縛されず、自分の良心や信念をいっさい曲げることなく、己の身一つでサラリーマン時代を大きく超える収入が得られることを証明する。その経験を生かし、脱サラ・起業に特化した整体塾を主宰。まったくの未経験者を「オンリーワンの整体師」に育てあげることについては、日本一の手腕を持つと自負する。これまでに200名以上を指導、50名を超える整体師を輩出する。現役の整体師を続けながら、大阪府枚方市、千葉県船橋市を拠点にして後進を育成。また、各地で一般の方に向けたセミナーや体験会を開催し、癒しの人間学「心整体法」を伝えている。

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