身ひとつでできる仕事、人さまに喜んでいただける仕事、生涯にわたり続けられる仕事として、整体に関心を持つ人が増えているようです。では、整体の仕事を生業にするためには、どういう方法があるのか。それは、大きく分けて、次のふたつの方法があります。
1、整体院やサロン等に「勤務」する
2、整体院やサロン等を「独立開業」する
それぞれ、メリットとデメリットがあります。以下、ご説明いたします。その上で、私の結論について述べます。ただし、あくまでも私見ですので、その点ご承知おきください。
1、整体院やサロン等に「勤務」する
勤務をするなら、仕事は施術と接客に徹することができます。経営や集客は、自分ではしなくて済みます。なので、運よく繁盛店に勤務できれば、施術と接客の経験がたくさん積めることと思います(ただし、本当に大切なのは経験を積むことではなく、積んだ経験をどう生かすかです)。
収入は、固定給と歩合給がありますが、いずれにしても最初からある程度の定収入が見込めます。ただし、給料は決して高くはありません。どちらかというと、安いです。また勤務先する場合、“押し揉み”の施術を中心としたリラクゼーション店やサロンがほとんどだと思います。一人あたりにかける施術時間は、30分〜120分。力を使って施術することも多いので、1日に施術できるのはせいぜい五人前後。ゆえに、収入も上限があります。
使っている技術によりますが、上記で述べた通り力を使う施術が多く、肉体的にはきつい場合が多いようです。強い施術を好む客が多く、力が足りないとクレームになることも多いようです。強い施術はその場は気持ちがいいので満足してもらえますが、根本解決にはならないので、そのことで心を痛める整体師やセラピストも多いようです。
当たり前ですが、すべて勤務先の都合に合わせねばならず、自由はほとんどありません。整体師・セラピストとはいえ、実質はサラリーマン、もしくはアルバイト・パートタイマーです。たとえ「店長」などの役職がついたとしても、しょせんは雇われの身です。ゆえに、将来的に雇用が約束されているわけではありません。
2、整体院やサロン等を「独立開業」する
整体院やサロンを自分で開業するなら、施術から経営まで、すべて一人でやらねばなりません。そのため、たくさんのことを学ぶ必要があります。
定収入は見込めません。特に開業当初は固定客もなく、経営が安定するまでは、時間がかかりますし、苦労をします。特に現在は競争が激しく、地域によっては生活者の財布の紐がかたいので、集客にも苦労をします。
しかし、100%自分の自由であり、自分の責任です。自分に合った手技を選べるし、自分が理想とする整体院やサロンを作ることができます。収入は自分次第であり、頑張れば、好きなだけ稼ぐことができます。ただし、それは実践と行動が伴ってこそであることは、申し上げるまでもないでしょう。
3、「勤務」してから「独立開業」する
よく言われるのは、数年間どこかに「勤務」して、勉強をしながら資金をため、「独立開業」に備える・・・ということです。リスクを最小限に抑えられるし、一見、合理的です。それを実践して、独立開業をはたす人も大勢いるとは思います。
しかし、それ以上に、ずっと独立開業できず、勤務を続ける人が圧倒的多数のように思います。なぜなら、勤務していると、それなりにラクだからです。前述の通り、決して給料は高くはないので、生活するのにカツカツで、開業準備にお金と時間が使えない場合も多いのだと思います。
また、勤務先によっては、独立開業を快く思わないところもあるようです。それゆえ、なかなか辞めさせてもらえなかったり、開業した時に、あの手この手で妨害をされたという話も聞いたことがあります。そのような悪質なケースはごく一部だとは思いますが、勤務をする場合は注意が必要です。
そもそも「勤務」と「独立開業」は、まったく別のことと考えた方がよいです。車の運転に例えると、わかりやすいと思います。
「勤務」は、助手席に乗っているようなものです。ゆえに、移動はできますが、好きなところへ行くことはできません。速度も、行先も、運転手まかせです。ラクではありますが、自由はありません。また、助手席に乗っていても、運転が上手になるわけではありません。
それに対して「独立開業」は、自分でハンドルを握り、運転をするということです。最初は怖いですし、危険な目に遭うこともあるでしょう。疲れるし、たいへんです。事故を起こすリスクもあります。しかし、速度も、行先も、自由です。そして、運転の経験を積めば、必ず上達します。
どちらがいいか、それは本人次第です。大切なのは、どちらでやっていくのか、しっかりと意志をもって選択をすることです。一時的な腰かけとして整体を仕事にする、あるいは興味本位で業界をのぞいてみたいだけなら、どこかに勤務するのがよいと思います。
もし、独立開業を目指して勤務するなら、いつ独立するのか、どんな店をもつのか、しっかり目標を立てて、毎日を過ごすこと。でないと、絶対に流されます。人間、ラクな方がいいに決まっているからです。助手席に座る人は、そこが心地いいので、ずっと助手席に甘んじてしまいます。そして、可能であれば、独立をサポートしてくれる店やオーナーを選ぶことです。
4、私の結論
私個人としては、本気で整体師やセラピストを生業としてやっていきたい人には、最初から独立開業を目指すことを強くお勧めいたします。助手席に甘んじるのではなく、運転手になって走ることが、結局は上達するための早道だからです。
しかし、どうすればいいかわからない、何から手をつけていいかわからない…そんな人がほとんどだと思います。いきなりの独立開業はあまりにリスクが高い、そう考える人も多いでしょう。なので私は、まずは今の仕事を続けながら、副業から始めることをお勧めしています。
よかったら、以下の「整体副業講座」の案内ページをご覧ください。このページを読むだけでも、何をすればいいのか、その一端を知ることができると思います。
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