いきなり自分の店を持つのは不安。
だから、整体院やサロンに勤務し、経験を積んだ方がいいのでは?
そう考える人は、多いだろう。
今日は、その疑問に答えたいと思う。
勤務した方がよい場合
勤務した方がいいか、どうか。
それは、その方の年齢や経歴によると思う。
年齢が若く、社会人経験や勤労経験がまったくない、もしくはほとんどない。
そのような場合は、まずはどこかで勤めた方がよいと私は思う。
基本的な対人マナー、社会のルール、基本的な仕事のやり方。
業界のこと、そして技術や経営ノウハウ。
治療院やサロンで働きながら、それらを身につけることが可能である。
個人事業主とはいえ、社会人の自覚と責任をもち、ビジネスマナーや作法を身につけることは、必要不可欠だ。
教育を受けず、独学でそれを身につけるのは、非常にたいへんだと思う。
独立開業のススメ
しかし、この業界でなくても、数年間、どこかに勤めた経験があるなら・・・
社会人としての自覚をもち、基本的なビジネスマナーを身につけているなら・・・
私は、あえていばらの道を行くこと、つまりいきなり独立開業することを勧める。
勤務して得られる経験やノウハウが、必ずしも独立開業して役立つとは限らないからだ。
経営を傍で見ているのと、実際に自分がやるのは、まったく別のことだからだ。
自動車の運転をいくら眺めていても、自動車の運転がうまくなるわけではない。
自分でハンドルをもち、道路を走らないと、運転はうまくならない。
それと、同じである。
治療院やサロンで従業員として働いても、経営は実際に自分でやらねば上達しない。
就職斡旋には要注意
次は、少し違う観点での話になるが、伝えておきたいことがある。
それは、卒業生を安い賃金で働かせることを目的に、就職斡旋をする整体学校のこと。
そこでは、卒業生を直営店で採用をしたり、系列店に紹介をしてくれる。
一見、ありがたい制度のようだが、注意が必要である。
いつまでたっても独立開業などさせず、縛りつけるところもあるからだ。
いずれにせよ、必ずその学校の卒業生に会い、直接話を聞いてみることだ。
先生ではなく、卒業生に訊ねることが必要だ。
整体学校のホームページやパンフレットに書かれたきれいごとだけを鵜呑みにするのは、非常に危険であることを覚えておこう。
信頼できる先生を探すこと
我田引水になるかもしれないが、本気で整体を生業にしたいなら、信頼できる先生を探すのがいちばんだ。
整体の仕事の厳しさ、素晴らしさ、その両方を知っている先生を探すのだ。
あなたがサラリーマンなら、実際に脱サラして苦労した先生が、理想的であろう。
技術だけ学んでも、食べてはいけない。
整体院が乱立し、過剰供給状態の市場へ新規参入し、生き残るのは至難の業である。
成功の確率は、よくて2〜3%である。
そのことを肌身で理解し、現役で活躍しており、自分が信頼できる先生。
さらに、指導実績が豊富であれば、理想的である。
時間がかかっていもいいから、そういう先生を探すこと。
整体を生業にするなら、それが早道だと私は思う。
武術の世界では「師を探すのに三年かけろ」というくらいだ。
そのような先生なら、あなたの年齢が若くとも、勤務経験がなくとも、責任を持って指導してくれるであろう。