脱サラ整体修行の肝要／生き方を学ぶ

整体とは、生き方を整えることに他ならない。

それが、私の信条です。
どのような痛みであれ、症状であれ、病気であれ、ごく一部の例外を除き、すべて本人の生活習慣や、心のあり方が招いたものです。
つまりは、生き方の乱れが、それらを生じさせているのです。

ほとんどの方は、それを薬や手術などの対症療法で解決しようとします。
そのために、治癒が遅れ慢性化したり、副作用などで症状が複雑化するのです。
現代社会には、そんな方が、本当に多い。
その結果が、バカ高い健康保険料と、高騰する年間医療費です。
みなさん、自分で自分の首を絞めているのに、気付いておられないのです。

しかし、医療従事者たちには、それを是正することはできません。
医療システムの中にどっぷり浸かり、甘い汁をたらふく吸っているからです。
今さら、その利権を手放すことなど、できないのです。
いまや医療とは、人々を病気にし、金蔓にする産業になりさがっています。

痛みや症状が慢性化し、どうしようもなくなった人たちが、藁にもすがりたい気持ちで、整体などの代替療法を頼って来られます。
ところが、多くの整体院は、やはりマッサージなどの対症療法しか施しません。
治療系整体院を自負するところも増えていますが、治療という概念から脱却しない限り、結局は医療と同じです。
一時的にはよくなっても、また同じことを繰り返すのです。

大切なのは、痛みや症状の本当の原因に気づいていただくこと。
自分の力で治すことを大切さをご理解いただくこと。
そのために、生き方の乱れを正す必要性を認識していただくこと。
それをしない限り、痛みや症状を根本的に治癒に導くことは、できません。

真の健康とは、いったい何でしょうか？
私は、真の健康とは「自律し、自立すること」と考えております。
多少の不調であれば、自分で調整する。
何かに頼ったり、依存したりせず、自分のことは自分で何とかする。
それが、本当の健康ではないでしょうか。

真の健康とは、生き方を整えることでしか手に入らないのです。
それを伝えることが、整体師にできる最大のことではないでしょうか。
いま、最も世の中に求められていることではないでしょうか。

人さまを導くためには、自らがそうあらねばなりません。
つまり、私たち整体師は指導者として、人さまの範とならねばなりません。
そのためには、自らの生き方を整えるに留まらず、磨きあげることが必要です。
それができてこそ、人さまの信頼に応え得る整体師だと私は考えます。

生き方を整える。
そのヒントは、日本伝統の精神文化、身体文化、生活文化の中にあります。
かつての日本には、世界中の人たちが驚き、敬意を表する文化や土壌があったのです。
それを探り、見直し、現代に蘇らせる。
それが、本講座で伝授する整体法の基本方針となっています。

生き方は、技術、経営など、すべての基盤です。
幾多の困難、苦労を乗り越えるための、強固な地盤でもあります。

だから、一年間かけて、生き方を学んで欲しい。
と申しても、私は決してお手本になれるような立派な人間ではありません。
私の生き方、お伝えすることなどから、何かを感じて欲しい。
そして、みなさんなりの生き方を見つけて欲しい。
日常の生活実践の中で、人間力磨き、心を育てて欲しい。

そう切に願う次第です。

執筆者プロフィール

西田聡心身楽々堂　代表

1960年、大阪生まれ。2008年、47歳の時に、突如、24年間勤務した会社を辞し、整体師に転身することを決意。多額の住宅ローンを抱え、当時高一と中二、二人の息子がいる身で脱サラし、未経験の仕事で起業するなど狂気の沙汰と、周囲の誰もが猛反対する。しかし、耳を貸さず、整体院の独立開業を断行。案の定、失敗、挫折、絶望の連続で、辛酸をなめ尽くすが、ぎりぎりのところで踏み止まる。修得した整体手技療法を基盤に、合氣道修行で得た心身修養の精髄を加味した「心整体法」を着想。病院で治らない慢性疾患や自律神経失調症専門の整体院という独自路線を歩み、自力で整体院経営を軌道にのせる。組織に依存せず、束縛されず、自分の良心や信念をいっさい曲げることなく、己の身一つでサラリーマン時代を大きく超える収入が得られることを証明する。その経験を生かし、脱サラ・起業に特化した整体塾を主宰。まったくの未経験者を「オンリーワンの整体師」に育てあげることについては、日本一の手腕を持つと自負する。これまでに200名以上を指導、50名を超える整体師を輩出する。現役の整体師を続けながら、大阪府枚方市、千葉県船橋市を拠点にして後進を育成。また、各地で一般の方に向けたセミナーや体験会を開催し、癒しの人間学「心整体法」を伝えている。