「整体起業」という修行

整体を学ぶ目的として、自分や家族、周囲の人たちの健康を守るためというのも素晴らしいと思うが、どうせやるなら起業することを私は強くお勧めしている。

「起業する=お金を稼ぐ」とは少し違う。起業するとは、人さまに喜ばれ、対価をいただける自分になる、ということである。つまり、結果的に「お金が稼げる」状態に進歩成長するのが「整体起業」と呼ぶ修行だと考えている。

詭弁に聞こえるかも知れないが、会社を辞めて17年間、何とか生き延びてきた、私の偽らざる実感である。そして、そうやって生き方、働き方を変える大人が一人でも増えることを願っている。

とは言うものの、たいへんである。たいへんであることがわかっていたから、私は退路を絶った。つまり、会社を辞めた。実際に辞めてみて、こんなにたいへんとは思わなかったくらい、たいへんだった。家族を不安に陥れ、たくさんの人に迷惑をかけ、助けてもらった。

でも後悔したことや、会社員に戻りたいと思ったことは一度もない。なぜなら、自由を手に入れたからである。自営業には、決断と選択と行動の自由がある。この自由は、絶対に手放したくなかったのだ。

自分が手にした道具(知識や技術)を生かし、創意工夫を凝らし、学びを深め、広げ、磨き、対価をいただける自分を育てることを積み重ねたおかげで、何の取り柄もない私でも、少しは進歩成長をさせていただけたと感謝をしている。

しかし、私のようないきなりの脱サラ起業はお勧めしない。少なくとも1〜数年の準備期間を経ることをお勧めする。

最後に、この道へ踏み出すにあたり、大きく背中を押してくれた、宇城憲治先生の言葉を引用させていただく。

 進歩成長とは変化することであり
 変化するとは深さを知ることであり
 深さを知るとは謙虚になることである

執筆者プロフィール

西田 聡
西田 聡心身楽々堂 代表
1960年、大阪生まれ。2008年、47歳の時に、突如、24年間勤務した会社を辞し、整体師に転身することを決意。多額の住宅ローンを抱え、当時高一と中二、二人の息子がいる身で脱サラし、未経験の仕事で起業するなど狂気の沙汰と、周囲の誰もが猛反対する。しかし、耳を貸さず、整体院の独立開業を断行。案の定、失敗、挫折、絶望の連続で、辛酸をなめ尽くすが、ぎりぎりのところで踏み止まる。修得した整体手技療法を基盤に、合氣道修行で得た心身修養の精髄を加味した「心整体法」を着想。病院で治らない慢性疾患や自律神経失調症専門の整体院という独自路線を歩み、自力で整体院経営を軌道にのせる。組織に依存せず、束縛されず、自分の良心や信念をいっさい曲げることなく、己の身一つでサラリーマン時代を大きく超える収入が得られることを証明する。その経験を生かし、脱サラ・起業に特化した整体塾を主宰。まったくの未経験者を「オンリーワンの整体師」に育てあげることについては、日本一の手腕を持つと自負する。これまでに200名以上を指導、50名を超える整体師を輩出する。現役の整体師を続けながら、大阪府枚方市、千葉県船橋市を拠点にして後進を育成。また、各地で一般の方に向けたセミナーや体験会を開催し、癒しの人間学「心整体法」を伝えている。

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