整体修行の意味

病院では治らない、心身の深刻な痛みや不調を改善させる、緩和させるのは、とても尊いことであるし、大切なことだとは思う。しかし、命は必要があって、痛みや不調を出現させている。心にせよ体にせよ、痛みや不調は命のメッセージなのだ。そのことは、よくよく心得ておくべきだと思う。

また、人が人を変えることはできない。私たちにできるのは、その人が自ら変化するよう、きっかけやヒントを与えたり、手助けをするに過ぎない。そのことも、重々承知し、決して謙虚さを忘れてはならないと思う。

修行の中心となる整体施術には、理学療法的な効用の他に、さまざまな意義目的があると考えている。誤解を恐れずに一言で申すと、それは自己修養だと考えている。施術者が自身の人間力を磨き、霊性を高めることが、人さまの痛みや不調の改善に大いに影響するからだ

少なくとも私たちの整体施術は、祈りであり、瞑想であり、現象界と実存界をの接点を探る方法であると考えている。そして、それは安心立命の境地に至るための訓練法であり、道であると考えているのだ。

それは、混乱し、矛盾に満ちながらも大きく変化しようとしているこの社会において、個々人が希望を持って前へ進むことであり、エネルギーに満ち溢れて今を生きることである。エネルギーとは、歓喜、感謝、愛から湧き出す力である。

希望について、最近、とても的確な定義を見つけた。

「希望とは、何かがうまくいくと確信することではなく、それがどの程度うまくいくかに関わらず、でもやっぱりこれが道理にかなっていると確信すること」

以上、愛読書であるサティシュ・クマール師の近著『ラディカルラブ』から引用した。チェコスロバキアの民主化を率いたヴァーツラフ・ハヴェルの言葉だそうだ。

そして、道理を知ること。それこそが、整体修行の最も大きな意味かも知れない。

執筆者プロフィール

西田 聡
西田 聡心身楽々堂 代表
1960年、大阪生まれ。2008年、47歳の時に、突如、24年間勤務した会社を辞し、整体師に転身することを決意。多額の住宅ローンを抱え、当時高一と中二、二人の息子がいる身で脱サラし、未経験の仕事で起業するなど狂気の沙汰と、周囲の誰もが猛反対する。しかし、耳を貸さず、整体院の独立開業を断行。案の定、失敗、挫折、絶望の連続で、辛酸をなめ尽くすが、ぎりぎりのところで踏み止まる。修得した整体手技療法を基盤に、合氣道修行で得た心身修養の精髄を加味した「心整体法」を着想。病院で治らない慢性疾患や自律神経失調症専門の整体院という独自路線を歩み、自力で整体院経営を軌道にのせる。組織に依存せず、束縛されず、自分の良心や信念をいっさい曲げることなく、己の身一つでサラリーマン時代を大きく超える収入が得られることを証明する。その経験を生かし、脱サラ・起業に特化した整体塾を主宰。まったくの未経験者を「オンリーワンの整体師」に育てあげることについては、日本一の手腕を持つと自負する。これまでに200名以上を指導、50名を超える整体師を輩出する。現役の整体師を続けながら、大阪府枚方市、千葉県船橋市を拠点にして後進を育成。また、各地で一般の方に向けたセミナーや体験会を開催し、癒しの人間学「心整体法」を伝えている。

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