バタフライタッチ

初心者に整体施術の指導をする際に、最も難しいのが「触れ方」である。優しく、思いやりを持って、と伝えるのだが、多くの場合、どうしても強く触れてしまう。

無理もない。私たちは、意識のどこかに、相手を変容させるには、物理的な力が必要という観念を持つからだ。それも間違いではないが、私たちは別の考えをしている。力は、こちらが及ぼすものではなく、相手(被術者)が自ら発動させるというのが、基本的な考え方だからである。

これまで「生まれたての赤ちゃんに触れるように」「豆腐を崩さないように」「生卵を破らないように」などと伝えてきたが、最近、とてもインスピレーションを覚える表現に出会った。それが「バタフライタッチ」である。

ネットで検索をすると、いくつか情報が出てきた。その一つを見ると、同じ整体学校で学んだ先輩が「整顔」の分野でバタフライタッチを用いているようであった(コメント欄にInstagramの記事リンクを掲載)。

「バタフライタッチ」とは、蝶が花にとまるような優しさで触れるということである。考えてみれば、自然界の生き物たちはみんな優しい。捕食する場合は別として、動物も、虫も、植物も、優しく触れ合って、助け合い、支え合い、生態を維持している。

人間だけが、自然から大きく離れてしまい、力と力のぶつかり合いの中で、社会を営んでいるような気がする。その究極が産業であり、政治であり、戦争であろう。その先に未来がないことを多くの人が気付き始めている今こそ、見直しと転換の好機と考えている。

本日は『心整体法・入門講座』の2日目。実習が中心である。静岡県在住の男性が、今後の生き方を模索する中で、本講座に出会い、学びにきてくださっている。研修生2名も同席してくれる予定なので、実りある一日にしたい。

執筆者プロフィール

西田 聡
西田 聡心身楽々堂 代表
1960年、大阪生まれ。2008年、47歳の時に、突如、24年間勤務した会社を辞し、整体師に転身することを決意。多額の住宅ローンを抱え、当時高一と中二、二人の息子がいる身で脱サラし、未経験の仕事で起業するなど狂気の沙汰と、周囲の誰もが猛反対する。しかし、耳を貸さず、整体院の独立開業を断行。案の定、失敗、挫折、絶望の連続で、辛酸をなめ尽くすが、ぎりぎりのところで踏み止まる。修得した整体手技療法を基盤に、合氣道修行で得た心身修養の精髄を加味した「心整体法」を着想。病院で治らない慢性疾患や自律神経失調症専門の整体院という独自路線を歩み、自力で整体院経営を軌道にのせる。組織に依存せず、束縛されず、自分の良心や信念をいっさい曲げることなく、己の身一つでサラリーマン時代を大きく超える収入が得られることを証明する。その経験を生かし、脱サラ・起業に特化した整体塾を主宰。まったくの未経験者を「オンリーワンの整体師」に育てあげることについては、日本一の手腕を持つと自負する。これまでに200名以上を指導、50名を超える整体師を輩出する。現役の整体師を続けながら、大阪府枚方市、千葉県船橋市を拠点にして後進を育成。また、各地で一般の方に向けたセミナーや体験会を開催し、癒しの人間学「心整体法」を伝えている。

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