【悩み】次回予約が勧めにくい<前篇>
5回、6回と施術回数を重ねても、お客さまの痛みや症状があまり変化しない…
実際には、よくあることです。
継続施術を勧めにくくて、次回の予約を取らずに帰し、そのまま離脱してしまう…
そんなことも、あるのではないでしょうか。
私もさんざん悩みましたので、気持ちはよくわかります。
案の定、開業したての門下生たちの多くも、このような悩みを持っているようです。
そもそも、次回のリピートが取れないことを悩む者もいます。
今日は、これについて私の考えを書いてみます。
ここに書いたことを理解し、腑に落として実践すれば、必ずリピート率は向上します。
お客さまに喜んでいただけ、経営も向上します。
なお、長くなりますので、2回に分けて投稿いたします。
まず最初に、ハッキリ申します。
このような状況は、非常にもったいないです。
第一せっかく来てくださったお客さまに、申し訳ないではありませんか。
最悪の場合、あそこへ行っても治らないよという、悪評の種にもなりかねません。
だから、絶対に阻止すべきです。
もちろん、来る来ないを最終的に判断するのは、お客さまです。
しかし、症状が改善せずとも、こちらの誠意はお客さまにお伝えするべきです。
それができれば、悪い評判はたちません。
たとえ離脱されても、後で思い出して、またご連絡をくださることもあります。
以下、そのために何をどう考え、何をすべきかを述べます。
目次
整体院の役割と立場
まずは、自分の整体院の役割と立場が明確になっていますか?
それをきちんとお客さまに伝えていますか?
それがないと、何も始まりません。
この機会にしっかりと整理して、腑に落としてください。
私たちの整体院の役割は、病院で治らない、あるいは病院で原因不明とされる痛みや症状を、無理なく自然治癒、根本治癒するよう導くことです。
身体が本来持つ自然治癒力が十分発動するよう、指導や施術を行うことです。
さらに申せば、自分の力で健康を守れるよう、指導をすることです。
お客さまお一人おひとりが、幸せに生きることができるようサポートすることです。
私たちは、医療従事者ではありません。
治療家でもありません。
あえて申せば「個人コーチ」という立場でお客さまに関わります。
だから、整体院へ通うのは、病院へ通うのとは意義目的がまったく異なります。
どちらかと言えば、テニスのレッスンに近いです。
身体が上手に使えるようになることを目指し、コーチを受けるためにレッスンに通うという感覚です。
以上のようなことを、整体師自身がしっかりと認識し、納得をすること。
そして、お客さまにしっかりお伝えすることが、たいへん重要です。
何のためにお客さまは来院するのか
次に、前準備として、考えていただきたいことがあります。
まず、お客さまが何のために来院してくださるのか。
それを、しっかりと考えてください。
自分本位ではなく、お客さまの立場や気持ちになって考えてみてください。
ほとんどのお客さまは、深刻な痛みや不調で悩んだ末に、数ある中からみなさんの整体院を探して選び、連絡をくださり、そして足を運んでくださっているのでしょう。
それがどれだけありがたいことか、心から感じてみてください。
次に、繰り返し来院してくださるのは、なぜでしょうか。
深刻な痛みや不調、あるいは悩みを解消したいからではないでしょうか。
その切実な気持ち、理解していますか?
さらに、5~6回通って、痛みや症状に変化がなかったら、みなさんならどういう気持ちになりますか?
変化がなくとも続けて通ってみようと思えるとしたら、どうしてでしょうか?
その時、先生が申し訳なさそうにしていたり、自信なさげだったら、どう思いますか?
逆に、自信満々に次の予約を勧めてくださったら、どう思いますか?
少し答えが見えてきたのではないでしょうか。
では、具体的にお話しましょう。
目標顧客単価の設定
目標顧客単価を設定しましょう。
これは、一人のお客さまからトータルでいただく単価の目標額です。
マーケティング用語でLTV(=Lifetime Value)とも言います。
めやすとしては、次のように算出すればよいです。
目標顧客単価=月売り上げ目標額/月あたり新規顧客数
たとえば、月売り上げ目標額が100万円、月あたり新規顧客数が20名とします。
すると、100万円/20名=5万円となります。
非常に大雑把な計算ですが、つまり「一人のお客さまから5万円をいただければ、売り上げ目標に近付くことができる」そのように考えるわけです。
目標リピート回数の設定
次に、目標リピート回数を設定します。
目標顧客単価を達成するためには、何回来ていただければよいかを算出するのです。
たとえば、目標顧客単価が5万円、初回料金8,000円、2回目以降料金5,000円だとすると合計10回来ていただけばよいことになります。
ただ、実際は治癒途上のお客さま以外に、メンテナンスのお客さまも大勢おられます。
だから、きっちり目標顧客単価にならなくてもかまいません。
ちなみに私の整体院の場合、目標リピート回数は10回に設定しています。
ただし、目標リピート回数は、こちらの都合で算出してはなりません。
裏づけとなる根拠や実績が必要です。
言い換えれば、お客さまにとって意味のある数字でなければならないということです。
これに限らず、それが何であれ、お客さまにとって最善となるよう考えるのが鉄則です。
それだけは、絶対に忘れてはなりません。
<後編へ続く>
執筆者プロフィール
- 1960年、大阪生まれ。2008年、47歳の時に、突如、24年間勤務した会社を辞し、整体師に転身することを決意。多額の住宅ローンを抱え、当時高一と中二、二人の息子がいる身で脱サラし、未経験の仕事で起業するなど狂気の沙汰と、周囲の誰もが猛反対する。しかし、耳を貸さず、整体院の独立開業を断行。案の定、失敗、挫折、絶望の連続で、辛酸をなめ尽くすが、ぎりぎりのところで踏み止まる。修得した整体手技療法を基盤に、合氣道修行で得た心身修養の精髄を加味した「心整体法」を着想。病院で治らない慢性疾患や自律神経失調症専門の整体院という独自路線を歩み、自力で整体院経営を軌道にのせる。組織に依存せず、束縛されず、自分の良心や信念をいっさい曲げることなく、己の身一つでサラリーマン時代を大きく超える収入が得られることを証明する。その経験を生かし、脱サラ・起業に特化した整体塾を主宰。まったくの未経験者を「オンリーワンの整体師」に育てあげることについては、日本一の手腕を持つと自負する。これまでに200名以上を指導、50名を超える整体師を輩出する。現役の整体師を続けながら、大阪府枚方市、千葉県船橋市を拠点にして後進を育成。また、各地で一般の方に向けたセミナーや体験会を開催し、癒しの人間学「心整体法」を伝えている。
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