【悩み】次回予約が勧めにくい<後編>
しっかりと次回の予約を取る。
これは、いろんな意味で、本当に大切です。
私たちの整体法は、お客さまの治る力に委ねます。
なぜなら、それが「本当に治る」ということだからです。
最も自然で、リスクがないからです。
よいところづくめです。
しかし、ひとつだけ難点があります。
それは、時間や回数がかかるかも知れない、ということです。
本日は、このことも含め、先日執筆した<前篇>に続く後編を書きます。
目次
初回セッションで伝えるべきこと
新たにお客さまが来院くださる、初回のセッション(施術)。
これには、特に全力を尽くすべきです。
まず、お客さまの話を傾聴します。
基本属性情報以外に、痛みや症状の原因を推察するために、次のような内容をお聴きします。
– どこがどのように痛いのか、つらいのか。
– それはいつからか。
– その前後に何があったのか。
次に、それに対し、次の内容を説明します。
– 自分の整体院の方針(例:自然、根本治癒、自律・自立)。
– お客さまの痛みや症状の原因は何か。
– 原因を断つために、自分はどういう根拠で、何をするか。
最大のポイントは、特長と価値を伝えることです。
お客さまの身体の意志を尊重し、お客さまが本来持つ力で治っていくこと。
それが、本当の意味でよくなるということであり、そのために、自分たちはお客さまの身体の環境を整えていくお手伝いをすること。
それをしっかりと伝えます。
そして、そのためには、少し時間がかかるかもしれないことを伝えます。
すると、お客さまが必ず疑問に思うことがあります。
それは、
「どのくらいの期間(回数)で治るのか」
ということです。
お客さまが口に出して訊ねてくださったら、しめたものです。
即座に答えましょう。
もし訊ねられなくても、こちらから必ず説明をします。
その際に、<前篇>で説明した「目標リピート回数」が出番となります。
私は、次のようにお話をします。
もちろん、相手によって話し方や言葉は変化させます。
「何回でよくなるか、治るか。それは個人差がありますので、一概には言えません。しかし、私の経験と実績から申し上げると、どのような症状であれ、10回通えば(=目標リピート回数)、何らかの変化や改善がみられます。すっかり治ってしまうという方も、少なくありません。だから、本当によくなりたいなら、まずは10回通ってください。そして、その時点でご判断ください」
上記で述べたことは、事実です。
私の整体院では、10回前後で完治したり、改善がみられることがほとんどです。
もちろん、それより少ない回数の場合もあります。
その経験と実績があるから、自信をもって言えるのです。
それに対し、難色を示すお客さまは、本気で治りたいと思っていないのかもしれません。
なぜなら、考えてみてください。
10回通ったところで、私の整体院だと、たった53,000円の投資です。
それで、深刻な痛みや不調が改善する兆しが見えるなら、ものすごく安いと思いませんか。
痛みや不調を放置したまま被る損害は、お金には換算できませんが、甚大です。
つまり、そのお客さまは健康の有り難さ、大切さが理解できないのです。
そのような方には、いくら説明しても伝わりません。
時間と労力の無駄になる可能性もあります。
そのあたりを見極め、難色を示すお客さまは、早々に手放した方が良い場合もあります。
あるいは、即効性を求めるお客さまもいます。
そういうお客さまは、そもそも私たちの整体院に来るべき方ではないということです。
材料や調理法を吟味厳選した手作りの料理を、3分間で出せと言われても、それはできません。
あるいは、たった一回のレッスンで、上手にテニスがプレーできるようにしてくれと言われても、無理でしょう。
それと、同じことです。
さて、ここまでくれば、ご理解いただけたでしょう。
初回のセッションで「10回通っていただく必要がある」ということを、お客さまにご納得いただく。
それが、最大の鍵です。
あとは、こちら主導で「次回は、○○日に来てください」と提案すればよいのです。
お客さまにきちんとご納得いただければ、少なくとも10回に至るまでは、症状が変わらないからといって次の予約を躊躇することはなくなります。
10回通っても変化しないお客さま
中には、10回通っても、何の変化もないお客さまもいます。
それに備えて、日頃から、本人の自覚以外の変化を捉え、それを伝える必要があります。
検査による客観的な基準や指標をもつと、それが的確に伝えられます。
それ以外にも、顔色がよくなった、姿勢がよくなった、話し方が変わった等もあります。
ただし、何れにせよ、本当のことを伝える必要があります。
治癒するかどうかには、さまざまな要因が絡み合います。
家族関係や職場環境、あるいは心のクセなど、こちらでどうすることもできない要因もあります。
10回目には、次のような内容を伝えます。
– これまでに取り組んできたこと
– こちらで捉えた変化
– 今後の方向性、取り組み内容
当たり前のことですが、根治を目指し、継続的に取り組む姿勢を崩してはなりません。
その上で、判断をお客さまに委ねます。
お客さまに継続の意志があれば、また10回をワンクールとして、次の取り組みをします。
しかし、お客さまが、これ以上の継続は無意味と判断されたら、残念ですが仕方がありません。
よいご縁をありがとうございましたと心から感謝し、手放しましょう。
もちろん、お客さまの根治をずっと願っていることも、忘れず伝えましょう。
それでも、できない…(ToT)
ここまで述べても、「私にはできない」という人もいることでしょう。
初回に「10回通ってください」が、どうしても言えない、そんな人も多いでしょう。
では、どうやってそれを乗り越えるのか。
どうすれば自信をもって「10回通ってください」と言えるようになるのか。
実は、私も以前は言えませんでした。
だから大丈夫、誰でもできます、言えるようになります。
今回お伝えしたことを実践するには、前準備が必要です。
また、さまざまな付随事項もあります。
これらは、また別の記事を執筆して説明しますね。
楽しみにお待ちください。
執筆者プロフィール
- 1960年、大阪生まれ。2008年、47歳の時に、突如、24年間勤務した会社を辞し、整体師に転身することを決意。多額の住宅ローンを抱え、当時高一と中二、二人の息子がいる身で脱サラし、未経験の仕事で起業するなど狂気の沙汰と、周囲の誰もが猛反対する。しかし、耳を貸さず、整体院の独立開業を断行。案の定、失敗、挫折、絶望の連続で、辛酸をなめ尽くすが、ぎりぎりのところで踏み止まる。修得した整体手技療法を基盤に、合氣道修行で得た心身修養の精髄を加味した「心整体法」を着想。病院で治らない慢性疾患や自律神経失調症専門の整体院という独自路線を歩み、自力で整体院経営を軌道にのせる。組織に依存せず、束縛されず、自分の良心や信念をいっさい曲げることなく、己の身一つでサラリーマン時代を大きく超える収入が得られることを証明する。その経験を生かし、脱サラ・起業に特化した整体塾を主宰。まったくの未経験者を「オンリーワンの整体師」に育てあげることについては、日本一の手腕を持つと自負する。これまでに200名以上を指導、50名を超える整体師を輩出する。現役の整体師を続けながら、大阪府枚方市、千葉県船橋市を拠点にして後進を育成。また、各地で一般の方に向けたセミナーや体験会を開催し、癒しの人間学「心整体法」を伝えている。
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