直接法と間接法
手技療法には、直接法と間接法があります。
ただし、これは私なりの分類方法ですので、一般的な考えとは異なるかも知れません。
その前提で、話を進めます。
直接法とは、患部に直接働きかけ、変化を起こさせる手法です。
それに対し間接法とは、患部には触れず、別の箇所に働きかけ、変化を起こさせる手法です。
わかりにくいと思いますので、以下に例をあげて説明します。
板の上に、ボーリングのボールがあるとします。
ボールを押して転がすのが、直接法です。
板に傾斜をつけ、ボールを転がすのが、間接法です。
手技療法において、直接法のほとんどは「医療行為」と言って間違いないでしょう。
直接筋肉をほぐすマッサージは医療行為であり、寝たきりの病人や怪我で動かなくなった人などに施します。
医療行為ゆえ、施術するためには「按摩マッサージ指圧師」という国家資格が必要です。
私共の整体法では、そのほとんどは間接法です。
直接法も併用しますが、いずれにせよ微弱な刺激しか与えません。
私共では、手法を次のように分類し、名称を付けております。
- 直接法=能動法
- 間接法=反射法、共鳴法
ひとつの手技には、これらの手法が織り交ぜられています。
大切なのは、ただ漠然と手技を施すのではなく、それぞれ手法の特性を理解し、意図と目的をもって施術をすることです。
たとえば「静圧法」という手技があります。
ただやさしく触れているだけですが、次のような働きがあると考えられます。
- 能動法=やさしく触れられている安心感、温かさ、心地よさを感じ、筋肉が弛む
- 反射法=筋反射やα-γ連関を利用して、筋緊張を除去する
- 共鳴法=施術者の高い波動をあてることにより、被術者の波動を高める
これらを理解し、意識するだけで、施術精度や効果は格段に向上するはずです。
ぜひ試みてみてください。
執筆者プロフィール
- 1960年、大阪生まれ。2008年、47歳の時に、突如、24年間勤務した会社を辞し、整体師に転身することを決意。多額の住宅ローンを抱え、当時高一と中二、二人の息子がいる身で脱サラし、未経験の仕事で起業するなど狂気の沙汰と、周囲の誰もが猛反対する。しかし、耳を貸さず、整体院の独立開業を断行。案の定、失敗、挫折、絶望の連続で、辛酸をなめ尽くすが、ぎりぎりのところで踏み止まる。修得した整体手技療法を基盤に、合氣道修行で得た心身修養の精髄を加味した「心整体法」を着想。病院で治らない慢性疾患や自律神経失調症専門の整体院という独自路線を歩み、自力で整体院経営を軌道にのせる。組織に依存せず、束縛されず、自分の良心や信念をいっさい曲げることなく、己の身一つでサラリーマン時代を大きく超える収入が得られることを証明する。その経験を生かし、脱サラ・起業に特化した整体塾を主宰。まったくの未経験者を「オンリーワンの整体師」に育てあげることについては、日本一の手腕を持つと自負する。これまでに200名以上を指導、50名を超える整体師を輩出する。現役の整体師を続けながら、大阪府枚方市、千葉県船橋市を拠点にして後進を育成。また、各地で一般の方に向けたセミナーや体験会を開催し、癒しの人間学「心整体法」を伝えている。
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