筋膜インテグレーションのクラスに参加しました

名古屋における、合計6日間の「筋膜インテグレーション」のクラスを終えた。
新鮮な気付きと豊かな学びに満ちた、素晴らしい時間であった。
参加して本当に良かった!
このクラスへの参加無しに、次の10年はなかったと思えるほど、私にとって重要な経験になったと感じている。
講師のBruce Schonfeld先生、主催と通訳をしてくださった宮尾さん、有紀さん、そして一緒に学んでくださった皆様に、心から感謝をする次第である。
本当に、ありがとうございました。

なぜ参加したのか

ちょうど10年前の2008年。
右も左もわからぬ素人同然の状態で、整体の業界に飛び込んだ。
脱サラし、下積み無しで、いきなりの独立開業。
どう考えても無謀な挑戦である。

しかし、たくさんの人に助けられ、支えられ、何とか10年間生き延びた。
実践と経験を重ね、多くのことを学んだ。
この10年で培ったことを土台に、次の10年をさらに充実させたい。
これまでに受けたご恩に報いるために、自分自身を大きく成長させたい。
一昨年あたりから、強くそう意識するようになった。

ついては、次の10年を歩む、確かな手がかりが欲しい。
そう願い、一昨年あたりから、様々なセミナーや講座に参加した。
それぞれとても素晴らしいものばかりなのだが、今ひとつ、ぴったりくるものがなかった。
そんな折に、たまたまFacebookで見つけた、短い動画に心を奪われた。

The secret life of fascia with subtitle from Masa Miyao on Vimeo.

これだ!ここに、自分の求めているものがあるに違いない!
そう直感し、即座に参加の申し込みをした。

参加してどうだったか

直感は外れることもあるが、大抵は当たる。
今回も、当初の期待を大きく上回る、素晴らしい経験をさせていただいた。

米国トップクラスの徒手療法家が、何を考え、身体をどう見て、具体的に何をするのか。
それを肌で感じることができた、6日間のクラス。
お金に替えることができない、真に価値あることを学ばせていただいた。

外から内へ。
常に、全身のつながりを見る。
よき探偵のように。

Bruceが伝えてくれることは、とてもシンプルで明確である。
その一方で、含蓄に富み、奥が深い。
すべて、彼独自の感性で研ぎ澄まされ、磨き上げられたもの。
徒手療法家として膨大な臨床や研究や解剖実習などを積んでいる以外に、多様な職歴や経験を重ねてきているゆえのことと想像する。

Bruceに何かを尋ねれば、自分の知識や経験を総動員させて、答えてくれる。
惜しみなく、分かち合ってくれる。
一方で、常に謙虚さと誠実さ、そして相手を尊重することを忘れない。
そんな彼の姿から、徒手療法家としてはもちろんのこと、人としてどうあるべきか、とても大切なことを学ばせていただいたと感じている。

「筋膜インテグレーション」について

この「筋膜インテグレーション」は、身体に関わる仕事に携わるすべての人にお勧めしたいと思う。
特に、私のようにある程度の経験を積み、自分をステージアップさせたい徒手療法家には、強くお勧めする。
その理由は、クラスの写真とキャプションを添付するので、そこから察して欲しい。

来年は、ゴールデンウィークに、東京で開催予定だそうだ。
下肢と上肢に加え、頭頸顎部のクラスが追加されるそうで、これは私も参加予定である。
近々、詳しい内容が発表されると思う。
興味がある方は、以下のページを参照して欲しい。
https://fascialintegration.com/

以下、クラスの様子をレポートさせていただく。

クラスの様子

座学は、大学の講義を彷彿とさせる、格調高いものであった。何を教えてもらえるのか、質問に対してどんな答えが帰ってくるのか、知的好奇心を刺激され、ワクワクしっぱなしであった。そういえば、静かに、穏やかに、言葉を選んで丁寧に話すBruceは、大学教授のようにも見えるなあ…

実技の講義に入る前に、映像等を使いながら、身体の構造や仕組みを詳しく解説してくれた。特に、一般的には知られなていない様々な膜の存在やつながり、内臓の立体的な動きについて理解が進んだのは、とても大きな収穫であった。なぜ膜が重要なのか、その認識は従来通りであるが、深く腑に落とせたのは、実物(映像ではあるが)を見たからだと思う。

実技のデモンストレーションに入る前に、まずは骨模型を使用して、何のために、どこにどうアプローチをかけるのか、詳しく説明してくれた。それにより、プラクティショナーのポジションや体勢を含めて、合理的、かつ効果的に働きかけるにはどうすればよいか、理解が進んだ。

デモンストレーションとして、足関節の評価を行うBruce。いかなる時も、クライアントがリラックスしていること、そして、効果的な働きかけのためにはプラクティショナーのポジション、体勢が重要であることを何度も強調していた。この写真からも、その重要性と実際が読み取れることと思う。

下肢構造と内臓の繋がりを考慮に入れた上でのアプローチ。もうひとつ、常に意識する必要があるのが、3次元的な動きである。当たり前のことなのだが、少なくとも私は解剖図でしか人体を学んだことがないので、抜け落ちていた留意点だと反省した。それでも、内臓疾患には様々あり、その原因も多種多様であるが、整体施術によってそれらが解消される理由の一つが理解できた。

手指へのワーク。ワークの前には、必ず評価があることは言うまでもない。いずれもシンプルであるがゆえに、正確さ、確実さ、精緻さ、繊細さが求められる。

Bruceは、ワークにおいて、前腕や肘を多用する。それは、なぜなのか?疑問に思い、尋ねてみた答えは、考えもしなかったことであった。彼の講義は、そんな新鮮な驚きや発見に満ちている。

第二、第三の手を駆使し、様々な感覚受容器に働きかけながら、身体の内発的な動きを誘発する。それを慎重に観察し、また次なる働きかけを行う…徒手療法は、やはり「対話」だなと改めて思った。

英会話が不得手ゆえ、講義に不安を抱いていたが、杞憂であった。ご自身がアドバンストロルファー™であり、ピラティスインストラクターでもある有紀さんの的確な通訳により、ストレスなく講義を聴講することができた。しかし、やっぱり直接聴きたいし、伝えたいので、英会話の勉強に力を入れようと改めて思った。今度こそ、三日坊主に終わらないように…(笑)

クラス参加者は、理学療法士とピラティスインストラクターの方が多かったようだ。その他、鍼灸師、トレーナーなどもいらしたが、整体師と名乗ったのは、私一人だけだったと思う。講師や主催者のお人柄ゆえだろうか、とても気持ちのいい方ばかりが集まっていたと感じた。実際に、Bruceもそのように言っていた。

↓ 筋膜インテグレーション
https://fascialintegration.com/

講師 Bruce Schonfeldについて

今回のクラスで何よりもよかったと思うのは、Bruceに出会えたことである。
彼は、経験が豊富で、専門分野を究め続ける強い情熱を持つ一方で、常に謙虚で誠実であり、他者に対する思いやりを示せる人物である。
自然や生命に対し、大いなる畏敬の念を持っているのではないかと拝察をする。
日本の治療家は、腕自慢、技術自慢をする人物が多いが、Bruceにはそれが全くない。
私にしては珍しく、「この人、本当に大好き!」と感じた。

懇親会の席上で、Bruceは「僕のやっていることは、医療とは全く違う。さらに言えば、カイロプラクティックでもないし、マッサージセラピーでもない」と述べていた。
その考えとあり方は、大いに共感できるものであったが、乏しい英会話力ゆえに、それ以上突っ込んだ話ができなかったのが、とても残念だ。
一緒に参加した森 亜紀子も、期待以上の収穫を得たと大いに喜んでいた。
彼は、生命の営みと、徒手療法を究め続けることの楽しさ、素晴らしさを教えてくれた。
今後、私の自律神経整体も、彼女の整腸セラピーも、これまで積み上げたことを土台に、大きく深化や進化することは間違いない。
そのきっかけと希望を与えてくれたBruceには、感謝してもしきれない思いである。

私たちが、彼から学んだことを自分のセッションや人生において最大限に生かすこと、多くの人や社会に貢献することが、何よりもの恩返しであると思う。
また来年、会えることを心から楽しみにしています!
本当にありがとう!Bruce!

↓ Bruceからのメッセージ

Fascial Integration JPN Trailer from Masa Miyao on Vimeo.

↓ 筋膜インテグレーション
https://fascialintegration.com/

本投稿の最後に…

今回のクラスで習得した技術を、自分のセッションでそのまま適用することは、当面はないと思う。
しかし、技術のみならず、このクラスで学んだことは、セッションはもちろんのこと、整体塾のコンテンツを格段にレベルアップすることに、大いに貢献してくれると考えている。
今月の講座から、早速役立たせたい。
ご興味がある方は、ぜひ講座見学にお越しください。

↓ 講座見学のご案内
https://shin2raku2do.biz/?page_id=747

執筆者プロフィール

西田 聡
西田 聡心身楽々堂 代表
1960年、大阪生まれ。2008年、47歳の時に、突如、24年間勤務した会社を辞し、整体師に転身することを決意。多額の住宅ローンを抱え、当時高一と中二、二人の息子がいる身で脱サラし、未経験の仕事で起業するなど狂気の沙汰と、周囲の誰もが猛反対する。しかし、耳を貸さず、整体院の独立開業を断行。案の定、失敗、挫折、絶望の連続で、辛酸をなめ尽くすが、ぎりぎりのところで踏み止まる。修得した整体手技療法を基盤に、合氣道修行で得た心身修養の精髄を加味した「心整体法」を着想。病院で治らない慢性疾患や自律神経失調症専門の整体院という独自路線を歩み、自力で整体院経営を軌道にのせる。組織に依存せず、束縛されず、自分の良心や信念をいっさい曲げることなく、己の身一つでサラリーマン時代を大きく超える収入が得られることを証明する。その経験を生かし、脱サラ・起業に特化した整体塾を主宰。まったくの未経験者を「オンリーワンの整体師」に育てあげることについては、日本一の手腕を持つと自負する。これまでに200名以上を指導、50名を超える整体師を輩出する。現役の整体師を続けながら、大阪府枚方市、千葉県船橋市を拠点にして後進を育成。また、各地で一般の方に向けたセミナーや体験会を開催し、癒しの人間学「心整体法」を伝えている。

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