日々の施術で疲れないために
先日、ある門下生から次のような相談がありました。
「新規来店も好調で、リピート率も上がり、経営が順調に伸びている。そのため、日に10数名の施術をする日が増えているが、とても疲れてしまう。このままでは、体力的にもたなくなるのではないかと心配である」
ある意味、贅沢な悩みですね(笑)
しかし、自分が疲労困憊しては、そのうち施術の質が下がります。
経営の伸びも鈍化します。
早い段階で、手を打つ必要があります。
本日は、この点について、お伝えをしておきましょう。
日々の施術で疲れないために。
さらには、楽しく、元気に毎日の施術をするために。
そのために、何をすればよいのでしょうか。
大きく二つ、テーマがあります。
1)施術の方法を改善する
2)予約の取り方を改善する
ひとつずつ、説明して参りましょう。
▼1)施術の方法を改善する
私たちの整体法は、基本的には力を使わず、短時間で施術を済ませます。
まずは、この点が守られているかどうか、確認してみましょう。
必要以上に時間をかけていないか、余計な施術をしていないか。
それをチェックして欲しいのです。
もちろん、リラクゼーション効果を狙い、わざと長時間の施術をするケースもあるでしょう。
しかし、症状の改善や治癒を目指すなら、最小限で最大の効果を狙うべきです。
目安となる施術時間は、15分、いくら長くとも20分程度に留めるべきだと私は思います。
そのためには、手技の理論がきちんと自分の腑に落ちていることが必要です。
なぜ微弱な刺激しか与えないのか?
なぜ短時間で済ませるのか?
なぜその場で変化や結果が出なくてもよいのか?
それを完全に理解してください。
そして、自信をもって施術をしてください。
次に、施術の姿勢や体勢、あるいは手足の保持の方法に無理がないか。
それをチェックしましょう。
実技指導は、直接会わないとできませんが、いくつかチェックポイントを述べておきます。
– 自分がよい姿勢になっているか
– 相手との距離や位置取りは適切か(遠いと力が入りやすいです)
– 腕や肩に不要な力みがないか
– 施術に全身を使っているか
– 呼吸を止めていないか、スムーズに呼吸ができているか
▼2)予約の取り方を改善する
私たちの手技療法は、1日に20名は施術できるよう設計されています。
もちろん、1日に何名の施術をするのかは、それぞれの考え方、やり方次第です。
しかし、20名が施術できるキャパシティは備えておくべきでしょう。
まずは上記1)で述べた内容をチェックした上で、改善すべきことことがもうひとつあります。
それは、予約の取り方です。
整体院に来られるお客さまは、だいたい次のように分類できます。
a.新規のお客さま
b.痛みや症状を改善中のお客さま
c.メンテナンスのお客さま
いちばん時間とエネルギーが必要なのは、a.のお客さまです。
私たちの整体院に来られるのは概して重症な人が多いし、自分が未経験の症状に遭遇することも少なくありません。
重症な人は精神的にもかなり参っており、うつ状態の方もおられます。
当たり前のことながら、一人ひとり症状や状態が違うので、とても神経を使います。
次に時間とエネルギーが必要なのは、b.のお客さまです。
スムーズに改善されていく方もおられる一方で、一進一退を繰り返したり、なかなか状態が変化しないお客さまもおられます。
場合によっては、a.よりもエネルギーが必要な場合もあります。
いちばんラクなのは、c.のお客さまです。
不調を感じて来院される方もおられますが、どこも悪くないけど来院されるお客さまもおられます。
いずれにせよ、施術はとてもラクです。
一日のうちで、a.、b.、c.のお客さまの割合をどうするか。
それを考える必要があります。
私の経験では、c.のお客さまの割合を半分以上にすることが必要だと思います。
可能であれば、7割くらいにしたい。
そうすると、毎日20名を施術しても、心地よい疲れが残る程度で済みます。
かといって、一定以上、a.やb.のお客さまの施術をしないと、実力は伸びません。
ラクばかりしていては、学びができないからです。
開業したての頃は、新規のお客さまに来ていただかねば話になりません。
メンテナンスのお客さまも少ないでしょうし、割合など贅沢なことは言ってられないでしょう。
しかし、最初から、意識して取り組むことは、とても大切だと思います。
1日に、何名くらいの施術をするのか。
1人に、どれくらいの時間をかけるのか。
それは、自分がどのような整体院を経営したいのかということです。
それを、明確にイメージしておくことが大切です。
そして、最初から「メンテナンスのお客さまを育てる」ことを業務に組み入れておくことです。
これについては、機会を改めてお伝えしたいと思います。
執筆者プロフィール
- 1960年、大阪生まれ。2008年、47歳の時に、突如、24年間勤務した会社を辞し、整体師に転身することを決意。多額の住宅ローンを抱え、当時高一と中二、二人の息子がいる身で脱サラし、未経験の仕事で起業するなど狂気の沙汰と、周囲の誰もが猛反対する。しかし、耳を貸さず、整体院の独立開業を断行。案の定、失敗、挫折、絶望の連続で、辛酸をなめ尽くすが、ぎりぎりのところで踏み止まる。修得した整体手技療法を基盤に、合氣道修行で得た心身修養の精髄を加味した「心整体法」を着想。病院で治らない慢性疾患や自律神経失調症専門の整体院という独自路線を歩み、自力で整体院経営を軌道にのせる。組織に依存せず、束縛されず、自分の良心や信念をいっさい曲げることなく、己の身一つでサラリーマン時代を大きく超える収入が得られることを証明する。その経験を生かし、脱サラ・起業に特化した整体塾を主宰。まったくの未経験者を「オンリーワンの整体師」に育てあげることについては、日本一の手腕を持つと自負する。これまでに200名以上を指導、50名を超える整体師を輩出する。現役の整体師を続けながら、大阪府枚方市、千葉県船橋市を拠点にして後進を育成。また、各地で一般の方に向けたセミナーや体験会を開催し、癒しの人間学「心整体法」を伝えている。
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