プロ整体師を目指す場合、「勤務」か「独立開業」どちらがいいか?
プロの整体師として、働く。それには、大きく分けて、次のふたつの方法があります。
1、整体院やサロン等に「勤務」する
2、整体院やサロンを「独立開業」する
どちらがいいのか、よくご質問をいただくので、本日はそれに対する私の考えを述べます。
目次
「勤務」と「独立開業」それぞれの特徴
以下、それぞれの特徴について述べます。あくまでも私見です。
1、整体院やサロン等に「勤務」する
「勤務」の場合は、施術と接客に徹することができます。経営や集客は、勤務先で行ってくれるので、自分ではしなくて済みます。なので“最初からお客さまがいる”という状態ですので、ある意味、ラクです。
収入は、固定給と歩合給がありますが、最初からある程度の定収入が見込めます。ただし、概して給料は安いようです。また、勤務の場合は、いわゆる「押し揉み系」のリラクゼーション店やサロンが多く、労働条件はきついようです。
当たり前ですが、すべて勤務先の都合に合わせねばならず、自由はほとんどありません。整体師とはいえ、実質はサラリーマンやパートタイマー(アルバイト)です。たとえ「店長」などの役職がついたとしても、しょせんは雇われの身です。ゆえに、将来的に雇用が約束されているわけでもありません。
2、整体院やサロンを「独立開業」する
「独立開業」の場合は、施術から経営まで、すべて一人でやらねばなりません。そのため、技術はもちろんのこと、マーケティングやマネジメントなど、非常に多くのことを学ぶ必要があります。
また、定収入は見込めません。特に開業当初は固定客もなく、収入が伸び、経営が安定するまでは、時間がかかりますし、大きな苦労をします。さらには経営が伸びたとしても、それを維持するのは非常に困難です。
しかし、100%自分の自由であり、自分の責任です。自分に合った手技(技術)を選べるし、自分が理想とする整体院やサロンを作ることができます。
そして、収入は自分次第であり、頑張れば、好きなだけ稼ぐことができます。ただし、それは実践と行動と実績があってこそであることは申し上げるまでもありません。
「勤務」してから「独立開業」する
よく言われるのは、数年間どこかに「勤務」して、技術を身につけ、経営や集客の勉強をしながら資金をため、「独立開業」に備える・・・ということです。一見、合理的のようです。それを実践して、独立開業をはたす人も一定数以上は存在するとは思います。
しかし、それ以上に、ずっと独立開業できず、勤務を続ける人が、圧倒的多数のように思います。なぜなら、勤務していると、一定以上の収入があるし、集客や経営に関与しなくて済むので、それなりにラクだからです。
しかも、決して給料が高くはないので、生活するのにカツカツで、開業のための準備にまでお金が回らないという場合が多いのではないでしょうか。
あと、勤務先によっては、独立開業を快く思わないところもあるようです。それゆえ、なかなか辞めさせてもらえなかったり、開業した時に、あの手この手で妨害をされたという話も聞いたことがあります。ごく一部だとは思いますが、勤務をする場合は注意が必要です。
「勤務」と「独立開業」は別のことと考える
私は、「勤務」と「独立開業」は、まったく別のことと考えた方がよいと思います。自動車の運転に例えると、わかりやすいと思います。
「勤務」は、助手席に乗っているようなものです。ゆえに、移動はできますが、好きなところへ行くことはできません。速度も、行先も、運転手まかせです。ラクではありますが、自由はありません。また、助手席に乗っていても、運転が上手になるわけではありません。
それに対して「独立開業」は、自分でハンドルを握り、運転をするということです。最初は怖いですし、危険な目に遭うこともあるでしょう。
疲れるし、たいへんです。
しかし、速度も、行先も、自由です。そして、運転する経験を積めば、必ず上達します。
結局は“本人次第”
さて、どちらがいいか、それは本人次第です。大切なのは、どちらでやっていくのか、しっかりと意志をもって選択をすることです。
一時的な腰かけとして仕事を選ぶ、あるいは興味本位で業界をのぞいてみたいだけなら、どこかに勤務するのがよいと思います。
もし、独立開業を目指して勤務するなら、いつ独立するのか、どんな店をもつのか、しっかり目標を立てて、毎日を過ごすこと。できれば、独立をサポートしてくれる店やオーナーを選ぶこと。でないと、絶対に流されます。人間、ラクな方がいいに決まっているからです。助手席に甘んじる人は、そこが心地いいので、ずっと助手席に甘んじてしまいます。
私個人としては、夢がある人、本気で整体師としてやっていきたい人には、最初から独立開業を目指すことを強くお勧めいたします。助手席に甘んじるのではなく、運転手になって走る方が、結局は早道です。
ただし、整体の手技(技術)や経営を学ぶ先を、よく吟味してください。できれば現役で活躍している先生から学ぶことが望ましいと思います。なぜなら、生きた現場を知っているからです。独立開業の難しさ、厳しさを知っており、生きたノウハウが学べるからです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
執筆者プロフィール
- 1960年、大阪生まれ。2008年、47歳の時に、突如、24年間勤務した会社を辞し、整体師に転身することを決意。多額の住宅ローンを抱え、当時高一と中二、二人の息子がいる身で脱サラし、未経験の仕事で起業するなど狂気の沙汰と、周囲の誰もが猛反対する。しかし、耳を貸さず、整体院の独立開業を断行。案の定、失敗、挫折、絶望の連続で、辛酸をなめ尽くすが、ぎりぎりのところで踏み止まる。修得した整体手技療法を基盤に、合氣道修行で得た心身修養の精髄を加味した「心整体法」を着想。病院で治らない慢性疾患や自律神経失調症専門の整体院という独自路線を歩み、自力で整体院経営を軌道にのせる。組織に依存せず、束縛されず、自分の良心や信念をいっさい曲げることなく、己の身一つでサラリーマン時代を大きく超える収入が得られることを証明する。その経験を生かし、脱サラ・起業に特化した整体塾を主宰。まったくの未経験者を「オンリーワンの整体師」に育てあげることについては、日本一の手腕を持つと自負する。これまでに200名以上を指導、50名を超える整体師を輩出する。現役の整体師を続けながら、大阪府枚方市、千葉県船橋市を拠点にして後進を育成。また、各地で一般の方に向けたセミナーや体験会を開催し、癒しの人間学「心整体法」を伝えている。
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