2012年4月入門

「私がこの講座を通して得てきた何よりもの財産は”心の在り方”です」

受講期間中、何度となく立ち止まり、動けなくなった時すらありましたが、師や他の先生方の支え、そして師の語る普遍の原理・真理がいつも私の背中を押して下さいました。「いのちを輝かせる整体」と師が謳うその真意を、私は身をもって学んだように思います。――― 吉瀬 なつ紀

一問一答

なぜ整体の仕事をしようと思ったのか、講座を受講してみてどうだったか等を、東京都荒川区で「暮しの整体サロン てあての間」を開業している吉瀬なつ紀先生に述べていただきました。
※2015年4月9日執筆

これまでの人生について

これまでの人生で思っていたこと、考えていたこと。あるいは、疑問を持ったり、問題を感じていたことなどを述べてください。差し支えなければ、これまでどのような仕事をしていたのかも述べてください。

私は幼い頃より「何かおかしい」「何か違う」と人間関係や社会、そして自身の心に対して様々な問いを抱いてきました。沢山の遠回りをしましたが、整体師として歩み始めた今、それら全ての根にある答えがはっきりと見えるようになって参りました。
どこか息苦しさを感じながらも、人に囲まれて明るく過ごしてきた私でしたが、１５歳の冬より些細なことが切っ掛けで摂食障害を患うようになりました。
以来、それに向き合い、逃げ、また必死に希望を見出しては、再び絶望するという日々を繰り返してきました。
学生時代のアルバイトから９年間、仕事は常に飲食業でした。お客様の話に耳を傾け、食卓で笑顔になって頂く事は私にとって最大の喜びでした。
そうして自分を慰め、或は苦しみから目を背けていた様に思います。しかし実際は何一つ変わることなく、暗闇のトンネルに終わりがあると信じることも出来なくなっていました。
心身の苦しみを抱えてから十数年が経った今、「誰よりも自らが幸せである生き方」を歩む道の上に、漸く立つことが出来ました。
また、人の心と懸命に向き合い続けた初婚生活の経験も、今が幸せであるからこそ、大きな財産となって残っています。
これまでを振り返り、来るべくして来た”今”という人生の通過点に居ることを、改めて心より幸せに感じています。

整体、整体師について

これまで、どのように整体に関わってきたのか、またはなぜ整体に興味を持ったのかを述べてください。プロを目指す方は、なぜ整体師になろうと思ったのかも述べてください。

天職と感じていた飲食業から、人の体に触れる業種へと転身した切っ掛けは、所謂”挫折”だったのでした。
抜け出せない病気、離婚、どう足掻いても叶わぬ現実。店を持つという長年の夢を白紙にしてでも、何もかも全てやり直したいと思ったのです。
人が好き、人の心と体に興味がある。そうして見つけた仕事は、リラクセーション業界と言われる押し揉みの”マッサージ屋さん”でした。「人の喜びのため」と思い勤め始めた職場でしたが、そこはまるで別の世界だったのです。
働く者たちは稼ぐためお客様の取り合いに必死。いつまでも通い続けて欲しいので、本心では「本当に体が良くなること」を望んでいません。
またお客様は通うほどに「痛気持ち良さ」に貪欲になり、体の辛さは解消せず「仕事中我慢が出来なくなる。ここに通う為に働いているようなものだ。」などと言う方々も少なくない。
これ以上ここに居てはならないと、「本当の人の喜びのため」となる術を探すようになりました。
初めから「”整体師”になろう」という想いがあったのではありません。求めた先の出逢いが心身楽々堂であったのです。
そうして約一年でその職場を去り、整体法講座を受けるため、大阪へ通う決心をいたしました。

心身楽々堂・整体塾について

どのようなきっかけや経緯で心身楽々堂・整体塾の存在を知ったのかを述べてください。また、なぜ本塾で学ぼうと思ったのか、その理由を述べてください。

今となってはどの様にして心身楽々堂・整体塾のＨＰに辿り着いたのか思い出せません。
兎にも角にも、ある時この塾のＨＰを読み、そして整体院のＨＰを読んだのでした。
恥ずかしながら、正直なところ、私を講座受講へと突き動かしたのは「本当の人の喜びのためとなる術を学びたい」気持ちばかりではありませんでした。
「私が救われたい。助けて欲しい。」という想いが溢れたのです。
受講を決意する前に整体院に訪ね、初めてお逢いした先生方お二人に、わたしは自身の悩みを少なからず吐露しておりました。
お客さんとして来たのではないのだ、という想いと葛藤しながらも不安定な様をお見せしたのですが、師匠は共に学ばせて頂くことを快く受け入れて下さいました。その事が何よりもの、受講への決定打となりました。
また、人の手助けをする立場となるには何とも未熟な人間だと自覚しながらも、「もう進むほかない」という頑固さが、当時の私を支えてくれていたと思います。

講座内容について

実際に、講座を受講してみてどうだったか、その感想を述べてください。特に、どのような点が自分に大きな影響を与えたか、どのようなメリットがあったのかを述べてください。また他の整体学校やスクールへ通った経験がある方は、それらと比較してどうだったかも述べていただけるとありがたいです。

基幹操法という技の素晴らしさについてお話したい気持ちもありますが、私がこの講座を通して得てきた何よりもの財産は他にあります。それは”心の在り方”です。
自然治癒力を持つ自身の体・命の力を心から信頼できるようになるにつれ、「生きること」に対する姿勢が変わってゆきました。
「他人にはどうする事も出来ない。自分以外に自分は癒せない。」という頭と、「助けて欲しい。」という心を長年持ち続けてきた私でしたが、私が何を考えようとも、常に自分の為に働き命を守っている”体”という存在を自覚できた時、長く彷徨い続けたトンネルの先に、光が差し始めたのでした。
受講期間中、何度となく立ち止まり、動けなくなった時すらありましたが、師や他の先生方の支え、そして師の語る普遍の原理・真理がいつも私の背中を押して下さいました。
「いのちを輝かせる整体」と師が謳うその真意を、私は身をもって学んだように思います。

現在とこれからについて

講座で学んだことを活かし、現在どのような取り組みをしているかを述べてください。また、今後どのような取り組みをしたいか、将来に向けての計画や夢などがあれば、述べてください。

東京都荒川区の自宅にて「暮しの整体サロン てあての間」をオープンしてから一年数か月が過ぎました。完全予約制、完全紹介制というスタイルでの経営です。
てあての間では、暮らし方を整えることを何よりも大事に考えています。
”生活習慣病”と言われるものに限らず、救急疾患や感染症を除く殆どの”病気”の要因は暮らしの中にあるからです。
この場所でまずは私自身が、手と足と頭を使い、暮らしを整え、心を育み、いのちを活かせるよう日々心掛けています。それはとても、地道なものですが。
私が学んできた整体は、痛みや不調を取り除くことに限りません。むしろ、それらと和する生き方により、一人一人が今幸せであることを目指します。
各種ある自律神経失調症（精神疾患を含む）や不定愁訴に悩まれる方々が、暮らしを心地よく、今を心から幸せで在れるよう、微力ではありますが今後ますます励んで参ります。

これから学ぶ人にひとこと

これから整体を学ぼうとされている方、あるいは整体師として独立自営を目指そうとされている方に対して、何かひとことお願いいたします。

これから学ばれる方へ、それぞれの整体塾や学校、講座で何よりも大切にお伝えしているものが何か、見極めて欲しいと思います。そしてご自分が求める師と出逢うことが出来るよう、心より願っております。
現在の心身楽々堂・整体塾の現場では、調和・共生・共存の心が基盤にあると感じられます。気がつけば、相手の事を本気で想える方々ばかり。私たちはこの塾で、技術力よりも、経済力よりも更に大切な事を教え伝えて頂きました。それが生き方であり、在り方です。
どう生き、どう在るか、これらを学ぶ道は果てしなく続きます。しかしそれ無しに、現代社会に溢れる様々な問題（枝葉）を解決することは出来ません。目には見えない根の部分に当たるのは、私たち一人一人の心の在り方であり、生き方です。根を癒せば、枝葉は自ずと元気になるでしょう。
このことをまず私たちが腑に落とし、自身に問い、求めて行くこと。そして人を導くこと。これが、この塾での教えを通して私が辿り着いた”整体師”の姿です。
本当の意味で、一人でも多くの人が豊かに、幸せに生きることを願う方へ。共に学び歩む同志となれることを心より願っております。

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